森見登美彦 有頂天家族

京都は天狗と人間と狸の共存によって成り立っている。下鴨神社・糺ノ森に住む名家・下鴨家の矢三郎は「面白きことは良きことなり」を口癖に、天狗の師匠に困り、麗しき女性に憧れ、狸鍋になった亡き父の誇りを胸に、今日も京都を駆け巡る。

続編もアニメ化するのか、1部も再放送かと思って読んでみた。久しぶりの森見登美彦で、のんびりした物語が終盤でお祭り騒ぎになるのが懐かしいなあ。

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

冲方丁 テスタメントシュピーゲル3 上

近未来ウィーン。人種・文化・技術・遺産が集結する国際都市ミリオポリス。公安高機動隊MSS、警察部隊MPBはリヒャルト・トラクル率いるプリンチップ社の誘導に屈してしまう。残された最後の切り札は1枚。涼月が敵を蹴散らし前に進むのみ。散りぢりになった特甲児童を再結集させるため、唯一残された移動手段を使い、ミリオポリスを疾走する。鏡合わせの物語を終えるために。

すげぇ。読み終わるまでこの言葉しか出なかった。戦闘か激励しているかのシーンしかない。あとリヒャルト・トラクル率いる凶悪集団が悪巧んでいる会話か。今までの兵器や犠脳体、それに戦争のプロたちと特甲児童たち。全部をあの文体で、超高速で撹拌しながら一気に読ませる。とても尊い1冊だった。

冲方丁 テスタメントシュピーゲル2

近未来ウィーン。人種・文化・技術・遺産が集結する国際都市ミリオポリス。公安高機動隊MSSに所属する3人の特甲児童たちは、それぞれの未来と過去を見つめようとしていた。しかし、またしてもプリンチップ社による大規模なテロ事件が発生。世界を震撼させるベテランの加害者たち。都市に眠る数不明のAP爆弾。その裏には”彼女たちの記憶”が深く関わっていた……。鏡合わせの物語が、今始まる。

Kindle連載が始まった2014年8月21日のとても暑い夜を覚えていますか? 2週間後の夜、更新されない! と不安になったのを覚えていますか? 糞みたいなポーカーゲームもありましたね。でも隔週で全14回無事終了! 最高の7カ月、読書体験をありがとう! そして単行本化! あの素敵なプロローグの鏡合わせが、こんなにも悲惨なシチュエーションだったとは。あのラストが、このプロローグに反射していたとは‼︎ ファン待望のテンションの高さに興奮しっぱなし。新たな次元に突入した殺陣シーン、様々なシチュエーションが鏡合わせになっている驚き。そして最終更新分、怒涛の終盤の面白さといったら! オードブルから急にメイン。最後の一口が何より美味い。そしてテスタメントシュピーゲル3が2016年12月28日に発売されました。ありがとう。本当にありがとう。2015年夏の予告を忘れてはいませんよ(ニッコリ)。 なんか本当、DV受けてるのに抱きしめられたら許しちゃう女の気分。愛してる。

テスタメントシュピーゲル (2) (上) (角川スニーカー文庫) テスタメントシュピーゲル (2) (下) テスタメントシュピーゲル (角川スニーカー文庫)