マーク・グリーニー 暗殺者グレイマン

人に溶け込み、その姿を巧妙に消すグレイマンと呼ばれる男がいる。元CIAの暗殺者ジェントリーは、ナイジェリアの大臣暗殺の帰路から一転、仲間たちに急襲される。大臣の兄である大統領が復讐を命じたのだ。世界から集まった賞金稼ぎのベテランチームがジェントリーを殺しにかかる!

男の子が大好きな中二病妄想を、大人のリアルさに昇華した素晴らしいエンタテインメント。銃、ナイフ、近接格闘に乗り物までバンバン! ガンガン! 読ませるぜ、これは。勢いがありすぎて『ジャッカルの日』ほどの渋さはないけど、読むストレス解消になった。

暗殺者グレイマン

暗殺者グレイマン

葉真中顕 絶叫

孤独死で発見された鈴木陽子。彼女は好景気でわく日本の平凡な家庭に生まれ、平凡な人生を送るはずだった。偏った愛情を注ぐ母から逃げられず、縁を切るような仕事をし、彼女は一歩ずつ光の届かない人生へ。それでも戻れる希望はあった。人を殺めるまでは……。

時代と性の狭間に落ちていく女主人公の味は蜜の味でして、いくらでもゴクゴク飲める。『ロスト・ケア』と同じく一気に読めて、ミステリーとして仕上がっている。あまりにも魅力的で夢中でむしゃぶりついていたはずなのに、一声かけられるとお婆ちゃんのヘチマのようなオッパイを吸っていることに気づくような……。なんつうか嫌味じゃなくてさ、分かってくれる人いるよね?

絶叫 (光文社文庫)

絶叫 (光文社文庫)