18年度読んでよかった本

今年はこれがよかった!という俺ベスト(06年度)(07年度)(08年度)(09年度)(10年度)(11年度)(12年度)(13年度)(14年度)(15年度)(16年度)(17年度)。

70冊ほど読んだ2018年。この歳で整理整頓などの強烈なセルフマネジメントをした結果、もっと読書時間を作れることに気づきました。SNSとかアニメとか、飲み会帰りのYoutubeはダメ!絶対!2019年の目標は読書時間をマネジメントしていきます。

クリスマスのフロスト フロスト・シリーズ (創元推理文庫) 犯罪心理捜査官セバスチャン 上 (創元推理文庫) 犯罪心理捜査官セバスチャン 下 (創元推理文庫) 特捜部Q―自撮りする女たち― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 悪いうさぎ (文春文庫)

最初に挙げる作品がR・D・ウィングフィールド『クリスマスのフロスト』ってタイムリープでもしたの俺?再読だよ!どうしてシリーズ途中で読み止めていたのか我ながら理解できないほどレベル高すぎて面白すぎる。ユーモア・本格ミステリー・組織ものをそろえて、無敵の存在感を出してきた。

M・ヨートH・ローセンフェルト『犯罪心理捜査官セバスチャン』・ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q 自撮りする女たち』も同じ系統で、海外シリーズものが熱かった。どちらもストーリー、キャラクターがドラマチックに展開するので、すっごいリーダビリティーが高い。

キャラクターは濃いのに憎めないテイストで、誰もが少しずつ嘘をついている若竹七海『悪いうさぎ』も嫌味が素晴らしかった。こういうミステリーが年数冊読めたら文句ないよね。

ミステリー以外のエンタメは、小川哲『ゲームの王国』がぶっちぎり。

ゲームの王国 上 ゲームの王国 下 岸辺露伴は叫ばない 短編小説集 (ジャンプジェイブックスDIGITAL) 岸辺露伴は戯れない 短編小説集 (JUMP j BOOKS) 瞬殺怪談 刺 (竹書房文庫)

不穏な発展途上国カンボジアを舞台に、少女の逃走劇と、少年の成長譚が激しく交錯する。ポル・ポト政権の虐殺を書いた上巻ラストが見事で、その勢いで下巻まで一気に読めてしまう。登場人物の怒りがこっちにまで伝わってきて、体が震えてしまった。

ジョジョ4部の高評価スピンオフが、短編小説としてさらにスピンオフした『岸辺露伴は叫ばない』『岸辺露伴は戯れない』短編小説集2冊。Amazonの高評価にびっくりして読んでしまった。これはいいスピンオフだわ。文章になっても岸辺露伴ワールド全開!『楽園の落穂』が最高のグルメSFなので読んで!

我妻俊樹、伊計翼、小田イ輔、神薫、川奈まり子、黒木あるじ、黒史郎、鈴木呂亜、つくね乱蔵、丸山政也、真白圭、平山夢明が競作する『瞬殺怪談刺』が大きな収穫。怪談ものはkindleでよく読むんだけど、瞬発力・攻撃力ともに最悪でたまらん。夜に読むと寝れなくなるのが欠点(?)。続きも読むよ。

「和食」って何? (ちくまプリマー新書) キング牧師: 人種の平等と人間愛を求めて (岩波ジュニア新書) 綾瀬はるか 「戦争」を聞く (岩波ジュニア新書) ひろちか先生に学ぶこよみの学校

新書系はどれも中高生向けのレーベルから4冊。料理からジェンダー論、家庭論を展開する阿古真理『「和食」って何?』は、既刊でも書いた和食進化論を展開しながら、広島の山間部で育った母の食生活を丁寧に書く。この田舎風景が素晴らしいのです。愛のあるドキュメンタリーとはこのこと。

アメリカの銃乱射事件から、読むきっかけをもらった辻内鏡人・中條献キング牧師人種の平等と人間愛を求めて』。完璧超人だと思っていたキング牧師の人間臭さよ。アメリカ近代史と合わせて理解が深まる1冊。

TBSテレビ『NEWS23』取材班・綾瀬はるか『「戦争」を聞く』はタイトルまま。もっとも意外な1冊だったかも。受け取りかたは読者それぞれにあると思うので割愛。

太陰暦太陽暦太陰太陽暦のことを通して学べる本がなく、国立民族学博物館でよくやく出会えた中牧弘允『ひろちか先生に学ぶこよみの学校』。歴史から古今東西で使われる時間について勉強したければ、これが入門にはぴったし。誰か探している人に届いてほしい。

以上、感想を書ききれずに2019年に突入。時間と気持ちのある今しかない!とまとめてしまった。子どもが無事、生後600日を越えました。やったー!真っ暗な中で子どもを寝かしつけるので本が読めません!いやだー! なんとか子どもは元気だし、妻とは時々喧嘩するけど基本ご機嫌だし、あとは本をしっかり読めればなあ、ぐらいかな。

ジョン・ヴァードン 数字を一つ思い浮かべろ

ある男に届いた手紙には、数字を思い浮かべろと書かれていた。もう一つの封筒にはその数字が! 男は古い友人である退職した刑事ガーニーに助けを求めた。しかし奇妙な脅迫は続き、事は最悪の事態に。殺されてしまった友人の周辺は、途切れた雪上の足跡など不自然なことだらけだった。ガーニーを襲う大量の謎、謎、謎! 手品のような連続殺人に、答えはあるのか!?

2018年の海外話題作がセールだったので購入。これは初期のカーリイか、極めてスレイドのような色ものかと思いきや、しっかり本格ミステリー! その上、驚きある犯人を提示する良作だ! ボリューム感は十分だけど、雑な要素もなく、終盤まであっという間に読めてしまった。主人公周辺がもう少し書かれると好みかも。まっすぐな現代本格ミステリーが読みたい人にはオススメ。

数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)

数字を一つ思い浮かべろ (文春文庫)

横山秀夫 影の季節

警察内の人事担当である、D県警警務部警務課調査官の二渡真治。任期3年の掟を破り、天下り先のポストに固執する大物OBに困っていた。彼はなぜ専属ドライバーに辺鄙まで運転をさせるのか。その目的は? 他、警察内部の視点からドラマを書いた全4編を収録。

『64』を読もうと思ったらシリーズ第一弾と聞いて読んでみた。それぞれ短い物語なのに、警察の独特のリズムもあって、1つひとつが苦々しい。こういう物語もあるのかと感心してしまった。次は『64』を読んでしまおう。

陰の季節 (文春文庫)

陰の季節 (文春文庫)