飛浩隆 零號琴

遠い未来。特種楽器技芸士トロムボノクと相棒シェリュバンが依頼を受けて到着した惑星“美縟”。残された巨大楽器“美玉鐘”で作られた首都“磐記”では、全住民によって假面劇が演じられようとしていた。そこで奏でられる秘曲“零號琴”とは。

無料で遊べるスマホゲーのCMみたいな小説で、キャラクターの台詞で世界イメージは感じられても、リアルタイムで何一つわからないまま読み通してしまった。このニュアンスを理解してもらえる人は少なからずいると思う。公式ホームページで連載されているようなバックグラウンド・エピソードや解説がかなり面白くて、我ながらもったいない読書体験だった。

零號琴

零號琴

中山市朗 怪談狩り 四季異聞録

怪異蒐集家・中山市朗の怪談集。四季折々に潜む恐怖を収録。

ちょっとした合間にKindleで怪談を読むのが好き。シリーズ安定の1作。怪談を読みたい人はこの『怪談狩り』シリーズからどうぞ。

怪談狩り 四季異聞録 (角川ホラー文庫)

怪談狩り 四季異聞録 (角川ホラー文庫)

アンデシュ・ルースルンド ステファン・トゥンベリ 兄弟の血 熊と踊れ2

獄中で出会った2人には共通点があった。兄であること。ヨン・ブロンクスを殺してやりたいほど憎いんでいることだ。連続銀行強盗の罪で捕まったレオは、再び史上最悪の略奪作戦を企んでいた。そこに関わってしまった兄弟、母、そして父親の物語。

超傑作『熊と踊れ』続編!足を洗った弟たちをどうして巻き込む! 悲しみに溺れた母をまだ沈めるのか! と怒りを揺さぶられる超蛇足作。そして断酒した父親! あの親父が! 喉がカラカラになる断酒小説! 主人公から取りまくキャラクターまで、苦悩という苦悩を書ききり、一気に読んでしまえるほど興奮する小説ではある。この勢いで付け足されたら、そりゃ蛇も歩く。

兄弟の血―熊と踊れII 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

兄弟の血―熊と踊れII 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

兄弟の血―熊と踊れII 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

兄弟の血―熊と踊れII 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)