森博嗣 魔法の色を知っているか? What Color is the Magic?

研究者のハギリは人口生体技術のシンポジウムに出席するため、チベットを訪れた。そこでは今でも子どもが生まれていた。生殖による人口増加が止まってしまった今、どうして子どもが存在するのか?

森博嗣のWシリーズ全10巻、2冊目でチベット編1。どんどん機械化していくヒトと、ますますヒトとの差がなくなっていくウォーカロン。どちらがヒトに近いのかの問題提起が始まり、めっちゃ渋い物語になってる。キャラクターそれぞれの書き方が結構好きなのも、スイスイ読めちゃうんだよなあ。

新村芳人 嗅覚はどう進化してきたか 生き物たちの匂い世界

視覚、聴覚に比べて謎の残る嗅覚。400種類ほどの嗅覚受容体でどうしてこれだけの香りを判別できるのか。受容体の少ないイルカと、多いゾウの違いはどこにあるのか? 生物の進化と合わせて、科学者たちがたどり着いた嗅覚の現状とは。

久しぶりの岩波科学ライブラリー。嗅覚受容体の組み合わせによって複雑に感じ取り、人それぞれファジーに表現する不思議。サルも木の上で生活するか、陸で生活するかによって、嗅覚受容体の数に差が生じている事実など、科学からのアプローチが面白い。しっかりと嗅覚の勉強ができる1冊でオススメ。これは書かれていないけど、人の嗅覚がどうなっていくんだろう。

嗅覚はどう進化してきたか――生き物たちの匂い世界 (岩波科学ライブラリー)

嗅覚はどう進化してきたか――生き物たちの匂い世界 (岩波科学ライブラリー)

平山夢明、他 瞬殺怪談 斬

1分以内で読める過去最恐怪談162話。平山夢明、我妻俊樹、伊計翼、宇津呂鹿太郎、小田イ輔、黒木あるじ、黒史郎、小原猛、神薫、つくね乱蔵、丸山政也の11名による共作。

トップスピードでビビらせにくる怪談界のF1こと瞬殺怪談ですが、今回も大変満足。たった3行が怖い。

瞬殺怪談 斬 (竹書房文庫)

瞬殺怪談 斬 (竹書房文庫)