司馬遼太郎 燃えよ剣

江戸幕末動乱期。剣に生き生かされ、死んだ男、土方歳三武州石田村で喧嘩好きとして名を馳せ、浪人と百姓上がりの寄せ集めを新撰組という集団を作り、日本の歴史に大きな波風をたてた男。その生涯。

後輩「えっ、司馬遼太郎読んだことないんすか。『燃えよ剣』ぐらいは。映画化もするし……」と言われて読んだよ(怒)!2つ驚いたのは、土方歳三がいい意味で泥臭い男だということと、新撰組について何も知らない自分がいたこと。苦手な幕末がこれだけ分かりやすいのも、司馬遼太郎のシンプルなキャラクター作りと、サクサク読める文章が凄いんだな。恋愛パートの雑さがマジで謎なんだけど、これいる?

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

燃えよ剣(下) (新潮文庫)

燃えよ剣(下) (新潮文庫)

コリン・デクスター オックスフォード運河の殺人

不摂生のために入院してしまったモース主任。時間つぶしに読み始めたのは『オックスフォード運河の殺人』だった。ヴィクトリア朝時代、一人旅の女性を殺した罪で死刑となった2人の船員がいた。進めるうちにモースは疑問を感じ、病床からできる推理を始めるが……。

いわゆる『時の娘』系の安楽椅子歴史ミステリ。元からの読みにくさもあるけど、このジャンルは緊張感がないというか、推理の組み方が独特になるからか、苦手なんだよなあ。毎回のプチ恋愛など含めて、デクスター文体は素晴らしいだけに、楽しめなかったのは本当に残念。

オックスフォード運河の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

オックスフォード運河の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ラリー遠田 教養としての平成お笑い史

幅広い世代が話題にできるお笑い、芸人について平成の30年間で何が起こっていたのか。明石家さんまの離婚から、有吉弘行の復活、笑っていいとも! の終了、PPAPまで、それぞれの背景に何があり、どのような波風をたてたのかを解説する。

ブログで紹介されていた文章が面白かったので読んでみた(どこかは失念)。アニメとニュース7しか見ない私だけど、過去は教科書的でもあり、リアルタイムはドキュメンタリー的で実況中継的でもあり、一気に読んでしまった。偶発的に見えたPPAPが、実は海外に視線が向いていたという分析もあって、将来性のある展望になっているのもマル。