黒木あるじ 無惨百物語 ておくれ

ふとした違和感を気にせず、そのままにしていないだろうか。もしかすると「ておくれ」かもしれないのに。実話怪談の収集家による百物語シリーズ

シンプルに怖く、現代から回想まで時間軸も豊富で、オカルトもあり、このシリーズは文句なしの塩梅。現代百物語を探していたので嬉しい収穫だ。

池上彰 世界を動かす巨人たち<経済人編>

池上彰が注目する世界の経済人11名。アリババのジャック・マー、投資家のバフェット、ティーパーティー運動の黒幕であるコーク兄弟など。その生い立ちと成功を紹介する。

わかりやすい本だけでは売れないんだろうけど、池上彰印になることでめちゃくちゃ売れるんだろうなあ。この読みやすさはサラリーマンにとってありがたい。

アガサ・クリスティー ABC殺人事件

ポアロに届いた予告状のとおり、Aで始まる町で、Aの頭文字の老婆が殺された。現場にはABC鉄道案内が残されていた。続いて第二、第三の予告状が届き、事件の阻止のため警察と協力をするポアロだったが、現場にはABC鉄道案内が……。

ミステリー史上初期のミッシングリンクもので、ここまで詰めこむ!? と驚く作品。トリックを知りながら読んだのは『オリエント急行殺人事件』も同じだけど、展開と折りたたみ方の創意工夫は、やっぱり読んで実感しないとダメだな。この感情は、美しい道具を見るだけではなく、使ってみて理解できたときに近い。

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)