新しい日本のために進められた神仏分離令。神社と寺院を分離する政策は、なぜ宗教攻撃、文化財破壊にエスカレートし、廃仏毀釈となったのか。明治維新から150年。鹿児島、松本、伊勢、東京、奈良、京都など、語られない近代史を追う。
奈良の興福寺の五重塔が25円で売却されそうになっただの、仏像で焚き火をしただの聞いたことはあったけど、その全貌を知らなかった廃仏毀釈。というか神仏分離令。スタートが権力の強かった比叡山坂本、それに国学が盛んだった水戸からの民衆運動で、薩摩においては寺院が消滅したというのは衝撃だ。当時の日本のメンタリティが、というよりは、Twitterを見ているような風景で笑ってしまった。けっして他人事でも、過去のことでもないんだな。
- 作者: 鵜飼秀徳
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2018/12/20
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