横田増生 ユニクロ帝国の光と影 Kindle版

大型母艦店を中心とした日本での急成長から世界へ。勢いのあるユニクロの根元には、創業者の柳井正が居座っているのではないか。その正体に迫る。次々と辞職する執行役員。中国にある協力工場の秘密。生まれの山口県宇部での生活。GAP、ZARAを比較しながら、ユニクロのこれからの姿とは。

一審判決は原告の請求棄却だったけど、ユニクロ側が出版社に対し2億2000万円の損害賠償を求め提訴した本書。ユニクロと創業者の柳井正を「急成長の企業」「素晴らしい経営者」ではなく、かといって批判するだけでもなく、「どういった企業なのか」「どんな経営者なのか」と見つめ直していく。柳井正の強烈なカリスマ性と、アパレル業界の危機感が凄まじい結果に……。長期で人材と次の世代を育てていくことの難しさよ。

ユニクロ帝国の光と影

ユニクロ帝国の光と影

今村昌弘 魔眼の匣の殺人

「あと2日で4人が死ぬ」人里離れた村に残された施設“魔眼の匣”で孤独に過ごす老婆の予言は必ず当たる。施設を訪れた葉村譲と剣崎比留子たちは、導かれるように老婆と面会する。しかし唯一の出口である橋が燃え落ち、その直後、予言を成就するように1人が死ぬ。残った女子高生がさらなる死を予言したことで、残された人々は混乱するが……。

ゾンビパニックミステリー『屍人荘の殺人』に続くシリーズ第2弾。「絶対4人死ぬ48時間」という設定の中で、独特の展開を見せるロジックと動機。犯人への追い込みと、設定を詰め込んだ終盤が凄まじく、思った以上のボリューム感だ。本格ミステリーの読み応えを得たければ十分だろう。有栖川有栖『孤島パズル』のような繊細さを求めちゃだめですか?

魔眼の匣の殺人

魔眼の匣の殺人

山崎聡一郎 こども六法

いじめや虐待は犯罪です。というけれど、私たちは法律についてほとんど知りません。誰かに助けてもらうまで苦しむのではなく、法律が強い味方であることを知ってほしい。そのために、イラストを付けて誰もが読んで学べる法律の解説書を作りました。

法律=「社会のルール」であることを明確にし、シンプルに言葉とイラストで表現する。ニュースなどで見る単語もわかりやすい。最後の「いじめで悩んでいるきみに」は、被害者にも加害者にもならないために、小冊子にして子どもに読ませておきたい。

こども六法

こども六法

  • 作者:山崎 聡一郎
  • 出版社/メーカー: 弘文堂
  • 発売日: 2019/08/20
  • メディア: 単行本