岡田晴恵 正しく怖がる感染症

様々な感染症は何を経過してヒトへと来るのか。蚊、水、空気、そしてヒト。感染症を経路別に整理して、正しく予防できる方法を紹介する。

コロナ禍で読んだ岩波ジュニア新書「人類vs感染症」も同じく岡田晴恵で、歴史を切り口にして大きな流れをわかりやすくまとめていた。本書は感染経路別に項目をわけて、注意点がそれぞれ違って面白い。ワイドショーでの著者の発言が批判されているが、瞬発力が弱い人なんだろう。最先端の研究者ではなく歴史家として紹介すれば、しっかり話しをしてくれるだろうに。

正しく怖がる感染症 (ちくまプリマー新書)

正しく怖がる感染症 (ちくまプリマー新書)

  • 作者:岡田晴恵
  • 発売日: 2017/03/06
  • メディア: 新書

小野不由美 ゴーストハント3 乙女ノ祈リ

女子高生から入った調査の依頼。クラスメイトの狐憑きや、部室で起こるポルターガイスト、座ると死ぬ机。ゴーストハント一行が学校を調べるうちに、超能力少女たちの存在が浮かび上がる……。数々の事件は、彼女たちの意思なのか。

学校の怪談、洋館の人形と苦手分野が続いて「超能力(スプーン曲げ)か、これは大丈夫だわ」からの恐怖……! 超常現象なんでもありで登場するけど、それぞれの事象が1つに収束していく流れは見本のよう。キャラクターたちも落ち着いて、存在感がしっかりしてきた印象。シリーズ前半の最後、私の中でいい具合に盛り上がってきました。

ゴーストハント (3) 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)

ゴーストハント (3) 乙女ノ祈リ (幽BOOKS)

ラーラ・プレスコット あの本は読まれているか

冷戦下のアメリカとロシア。ロシア移民の娘イリーナは、CIAのタイピストとして雇われるが、スパイの才能を見込まれて訓練を受けることになった。その目的は禁書となったボリス・パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』をソ連内で広め、文学の力で戦うこと。危険な任務に駆り出される女性たち、そして1人の小説家を愛してしまった女性の物語。

各新聞の書評欄で評されていたので読んでみた。ボリス・パステルナーク『ドクトル・ジバゴ』が実在とは知らず、ノンフィクション寄りであることに驚いた。女性たちの交流が華やかでもあり、地味で過酷で悲しみに溢れた物語だった。時代ゆえの残酷さもあるが、ある2人が恋を疑いながら近づいていくシーンはボーナスタイムのようで、この物語がいつまでも続けば……と思わずにはいられなかった。この心地よさは言葉にできない。

あの本は読まれているか

あの本は読まれているか