2008-01-07から1日間の記事一覧

宮部みゆき 我らが隣人の犯罪

デビューからの初期短編を収録した宮部みゆき『我らが隣人の犯罪』。これが初期に出たっていうのは凄いですね。評判良く聞いていた、サボテンと会話ができる小学生たちの謎が最後にストーンと綺麗に落ちる「サボテンの花」の出来も素晴らしいですが、僕ベス…

関ミス連冬の総会+霧舎巧講演会

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大谷大学で行われた関ミス連冬の総会+霧舎巧講演会に出席してきました。司会のテンポも上手く、本当素晴らしかったです。黒板を使っての「本格と新本格の違い」の説明や、シリーズ解説なども分かりやすく、何より面白い。なるほど霧舎巧の書く萌えミステリ…

わかつきひかる お姉さんはサンタクロース!

天然のドジっ子なサンタ見習いのエイミーは、研修中に少年とぶつかってしまい、元の世界には帰れないことに。しかし、残った3つのプレゼントで少年を幸せにすることができたら……。わかつきひかる『お姉さんはサンタクロース!』は、代理お姉さんとなったエイ…

須賀しのぶ 女子高サバイバル

須賀しのぶ『女子高サバイバル』は、優雅な高校生活を過ごしたい桐子だけど、ここはパワー溢れる公立の女子高。親友でヤオイ小説趣味の翠に誘われて、グラウンドホッケーを始めることに。でも憧れのミッション系スクール、聖マルガリータ女学院と月一でも練…

鈴木忍 人妻くノ一忍法帖

二次元ドリーム文庫の鈴木忍『人妻くノ一忍法帖』と、美少女文庫の森野一角『お仕えします! ドキドキ忍法帖』を比較すると違いが分かりやすいかも。夫に先立たれたくノ一、紗綾香は妹と一緒に妖魔に狙われた少年を護衛することに。しかし彼女は任務とは別に…

中村融・山岸真(編) 20世紀SF 〈2〉 1950年代 ― 初めの終わり

一巻『星ねずみ』に続いて『20世紀SF 〈2〉 1950年代 ― 初めの終わり』。表題作から始まるブラッドベリ「初めの終わり」(最高!)、ロバート・シェクリイ「ひる」、ゼナ・ヘンダースン「なんでも箱」(可愛い)他がストライクの連続で驚き。スタージョン「…

綾守竜樹 囮捜査班御堂レイカ ― 痴漢鉄道の亡霊

『座敷童の掟 暴富は艶めく女体を贄に』と同じ作者ですが、これは痴漢電車もので綾守竜樹『囮捜査班御堂レイカ ― 痴漢鉄道の亡霊』。美女囮捜査官vs痴漢集団「千手観音」の死闘……にはならず、ジワジワと捕まえる意欲を殺がれていく描写がポイント。挿入など…

須賀しのぶ ブルー・ブラッド

マーケットプレイスで値段が上がるだけの価値はあると思う須賀しのぶ『ブルー・ブラッド』。キル・ゾーン・シリーズの番外編になっていますが、単独で読める社会派物語。遺伝子改良によって生まれた強化人間「ブルー・ブラッド」が支配する未来の火星。奇跡の…

黄支亮 Legend ― 聖杯の女騎士

黄支亮『Legend ― 聖杯の女騎士』のような、希望者だけが手にしようとするジャンルを出すのは嫌いじゃない(これで少しでも続けばいいんですけど)。ナポレオン文庫の風流が復活となって、美少女文庫で唯一の純正ファンタジー・ハードポルノ。女騎士二人が薬…

蒼井村正 サキュバスクイーン ― 淫魔の学園

淫魔の視点で書くのはちょっと珍しいかもしれないので記憶に留めておきたい蒼井村正『サキュバスクイーン ― 淫魔の学園』。女子高生退魔師(+弟)と、こちらは女子高生に化けている淫魔が絡む話としては普通。だけど淫魔は巣にした学園を荒らされたくないの…

ゆずはらとしゆき 試作品少女 空想東京百景

ファウストに掲載された『Beltway』を含めた「空想東京百景」シリーズのジュブナイルポルノ版ゆずはらとしゆき『試作品少女 空想東京百景』(特設紹介ページ)。物語に無理やりポルノをくい込ませた、ジュブナイルポルノと表現することに流石に抵抗を覚えて…

Natural Color Majestic-12

東京の方から送ってもらった(ありがとう御座います)同人誌『Natural Color Majestic-12』に短編「空想東京百景 〜午前三時の永遠」・作品解説「空想東京百景の歩き方」が収録されていたので読みました。 http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/000…

綾守竜樹 くノ一夜伽話 ― この印篭が目に入らぬか?

全編レズものですが、綾守竜樹の粘着力高い文体を生かした『くノ一夜伽話 ― この印篭が目に入らぬか?』が良作。亡き母の形見から、私を守ってくれる三人のくノ一が登場。世間ズレした生活もなんのその、毎夜の奉仕に戸惑う私だったけど……。母の死から合理的…

羽沢向一 お姉さんと特訓中!

羽沢向一『お姉さんと特訓中!』はストレート過ぎるジュブナイルポルノで、僕なんかは物足りないと思っちゃう。導入編というか、未成年者辺りには魅力的なタイトルで、使えるためだけに読めるのかも。その点では評価高めなんですけど、あまりにも単調すぎる…

真慈真雄 おしかけメイド隊

オテンバで元気いっぱいな茜。生真面目・眼鏡・巨乳な葵さん。ゴスロリ・ツンツンの蜜柑ちゃん。そんな三人を見守る静かなメイド先生。三人のメイド実習生が僕の家にやってきて……真慈真雄『おしかけメイド隊』。キャラクタ性に合わせて、少しずつシチュエー…

北都凛 聖ルシフェル学院 ― お嬢様裁判

北都凛『聖ルシフェル学院 ― お嬢様裁判』は悪くもないし良くもない。孤島に建てられた聖ラファエル学院を統治する生徒会「ラファエル聖騎士団」。その懲罰室で「神の使い」によって行われる刑とは……。中はラファエル”天使”なのに、タイトルが違うのは誤字で…

みかづき紅月 サムライガール

今月の美少女文庫から登場した新人みかづき紅月『サムライガール』は薦めたくなるほど大アタリ。といっても、極々普通の少年少女によるラブラブ・ジュブナイルポルノでしかないんだけど、既存作品が書かなかった(読者も必要とはしていなかった)細かな部分…

大森望 現代SF1500冊 乱闘編 1975‐1995

ジュブナイルポルノをきっかけに読んだなんて大森望本人もいい迷惑だろうけど『回天編』に続いて『現代SF1500冊 乱闘編 1975‐1995』。87〜91年の「海外SF問題相談室」・90年〜の「新刊めったくたガイド」・75〜89年までのSF時評を収録。好きな作家をどうほめ…