2008-01-13から1日間の記事一覧

須賀しのぶ ブラック・ベルベット ― 菫咲くころ君を想う

シリーズ第4弾、前回に閉じたはずの幕開けから始まる須賀しのぶ『ブラック・ベルベット ― 菫咲くころ君を想う』。どうして読んでるかって、流血女神伝の発売月が知りたいから。そんな自分にガッカリ。さておき、そんなに面白いシリーズではないのは常套的な…

谷川流 涼宮ハルヒの消失

誰もハルヒを覚えていないし、何故か委員長がいる世界……谷川流『涼宮ハルヒの消失』。今まで3巻分の伏線を使って集大成のような、ここまで巧な作品ができちゃうのか。それより”どうしてハルヒがいない世界なのか”を示してくれる感情にこそ、小説としての面白…

羽沢向一 先生がいっぱい! ― ぱらだいすLesson

これでジュブナイルポルノ99冊目の羽沢向一『先生がいっぱい! ― ぱらだいすLesson』。お久しぶりです。大変スタンダードでありつつ、その中からはみ出さない作風、年上と高校生とくればやっぱり羽沢向一。英語教師の真面目さと淫らさのギャップには上手さが…

乙一 失はれる物語

再録、書き下ろし『マリアの指』を含む乙一『失はれる物語』。初期からの作品が並んでるのをこうして読むと、ちょっと恥ずかしいね。短編集嫌いなため、再読なのかどうだかも記憶にあらずで分からないけど、ベストは表題作『失はれる物語』でガチ。中編『マ…

屋形宗慶 発情トリニティ ― 鹿島家の痴情

大学生の義姉、三つ網・眼鏡の幼馴染、スポーツ下着な義妹と、エロゲを見ながらエロをしてみよう! という屋形宗慶『発情トリニティ ― 鹿島家の痴情』。主人公が義姉と幼馴染で経験済みの非童貞で、処女は義妹のみ。読んでみればなるほど「エロゲみたいなシ…

谷川流 涼宮ハルヒの暴走

お、俺は鶴屋さんが好きだー!(ロリコンじゃないことをアピール)ということで、第5弾の短編集谷川流『涼宮ハルヒの暴走』。僕より上の世代にとっては「この元ネタはあれね」的な楽しさができるし、僕かそれより下ぐらいなら知らなくても単純に楽しんでいる…

桐生祐狩 川を覆う闇

桐生祐狩『川を覆う闇』は、バイエルン州の村が小説になったという、汚物不快SFなんだけど、そこまでは本当可愛い。ウンコやゲロで戯れるのは朝食みたいなものでしかない。町崩壊からの、不快を受け入れた中盤以降はギャグ一歩手前(僕はずっと笑いながら読…

法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー

やっとこそ読み終わった『法月綸太郎の本格ミステリ・アンソロジー』。前半は癖の強さが辛いかったけど、後半6編はどれも僕語のみ。挑戦的な真犯人当ての、クリスピン&ブッシュ『誰がベイカーを殺したか?』、中西智明『ひとりじゃ死ねない』(紹介文を読ま…

太田忠司 黄金蝶ひとり

素敵な仕事だと思った太田忠司『黄金蝶ひとり』。「大人の賞は色んな事情がからむけど、子どもが選んでくれたうつのみや子ども賞は、本当に嬉しかった」と講演会で言っていた(記憶がある)。そういう作品だなと。最後のインパクトは大人には物足りないかも…

森博嗣 レタス・フライ

この機会に森博嗣を新刊で買うのはやめようとしていた『レタス・フライ』。などと書きつつ、過去のシリーズ人物が登場してくれる『刀之津診療所の怪』だけは骨髄で読んでしまうのもどーかなー、俺。常に森博嗣を追いかけてきた人だけが(楽しめるかどうかは…

北野勇作 かめくん

世界は未来なのに、文章からはノスタルジー漂う北野勇作『かめくん』。知らないところで起こっている戦争(?)。巨大カメに乗って戦う相手は巨大ザリガニ(?)。よく分からない世界で、過去に木星で戦っていた(かもしれない)カメの、ちょっと悲しい恋と…

大山誠一郎 アルファベット・パズラーズ

刑事・翻訳家・精神科医が、元弁護士の部屋で未解決事件を語り合う大山誠一郎『アルファベット・パズラーズ』。お茶と謎。アルファベット1文字を「○の○○」とした2つの短編と、1つの中編。「そりゃねーよ(笑)」なトリックも含め、ミステリが好きなら(何故…

森博嗣 εに誓って

今回のテーマはバス・ジャック。サスペンス色が強く、緊迫感のあるシーンを書かせるとやっぱり上手い森博嗣『εに誓って』。シリーズ長編なだけにファン以外は読まないでしょうけど、大トリックが炸裂する。というより、主要キャラが被害者になって、そこから…

森野一角 妹パンチ! ― アニキなんて大キライ

物語性の強さ、キャラクタの魅力、ソフトだけど不足ないエロさ。難癖をつけるならエロなしキャラが「美味しすぎる」ぐらいな森野一角『妹パンチ! ― アニキなんて大キライ』。典型的な3姉妹(義理)を使って、だけど、それぞれライトノベル的な特徴づけが活…

谷川流 涼宮ハルヒの動揺

自信満々に「俺は鶴屋さんが好きだ」ということで、第6弾の短編集谷川流『涼宮ハルヒの動揺』。中継ぎ、伏線出し、次回の長編へ続く……、と分かりやすい。リアルタイムで読んでいたならガッカリしたかも。すでに『消失』という功績と評判があるから、続きに期…