2008-01-18から1日間の記事一覧

森博嗣 λに歯がない

森博嗣『λに歯がない』が酷い、ではない。プロットを書いてないから、超有名トリックに似ているのに、あっちは名作で、こっちは駄作になる。一発勝負する短編ならいい……ではないのかなあ。物理トリックと叙述トリックの差なのか。考えるには知識が足りない、…

ジョージ・R・R・マーティン 剣嵐の大地〈1〉 ― 氷と炎の歌〈3〉

ティレル家! ティレル家! 続々と魅力的な新キャラが投入され、物語はさらに複雑さを増すジョージ・R・R・マーティン『剣嵐の大地〈1〉 ― 氷と炎の歌〈3〉』。私生児のジョン、小人のティリオン、囚われ続ける少女……。どれも第2部から気になっていたけど、…

結城心一 まとちゃん

超美味いカレー食べてる最中に、ウンコの話しを小刻みにされるような四コマ漫画結城心一『まとちゃん』。可愛い女の子。そして虫が好き。しかし愛してない。ほのぼの可愛い+小さな虫+卵という、なんともグロテスクな一面に毒があふれていて困る。その具合…

シオドア・スタージョン 輝く断片

読んでもわからず、説明されてアアナルホド。この特有(?)な感じが3度目のスタージョン(なんだかな)。シオドア・スタージョン『輝く断片』でも唐突な展開や急なオチ(と感じる)作風に面白さを見出せない。全体にわたるテーマ”孤独と愛”が「早すぎた某ジ…

フレドリック・ブラウン 異色作家短篇集2 さあ、気ちがいになりなさい

星新一・訳ってだけで効果あるよね。フレドリック・ブラウン『さあ、気ちがいになりなさい』は無茶なネタもあるけど、なんとも楽しく感じさせる、かな。はたしてその結末は幸せなのか? と「ノック」が残す最高の余韻。ただただ奇妙な「帽子の手品」の2作が…

斎藤美奈子 冠婚葬祭のひみつ

斎藤美奈子『冠婚葬祭のひみつ』は堅苦しくなく、教科書マンガ「○○のひみつ」通りの手軽い大人用だ。葬式と結婚式の古今を紹介し、歴史の正体を暴く。苦笑いさせる文章には賛否あるが、伝統・作法を茶化しつつ、フェミニズム的な嫌味を上手く隠している。宗…

ジョルジュ・ランジュラン 異色作家短篇集5 蠅

なんともかんともジョルジュ・ランジュラン『蠅』。語りは重いしオチは暗いしで、しかも真相の独白、加害者の手紙が追い討ちをかける短編集。「奇跡」「最終飛行」あたりはサラッと読めて、口休めになっているかな。ミステリかと思わせて……な作風が多い中、…

ザ・シンプソンズ シーズン8

ファン待望の『ザ・シンプソンズ シーズン8』。マンネリ化のパロディがなかなか辛くなってきたものの、秀逸な30分を楽しむことができる。悪の結社にヘッドハントされる「ホーマーは二度越す」、禁酒法時代再び「ホーマーとバートの密造酒作戦」あたり、お得…

シャーリイ ジャクスン 異色作家短篇集6 くじ

シャーリイ ジャクスン『くじ』、これ本当いいね。近いけどまだ行ったことのない町や、引っ越してきた隣人。家では見せない顔に、子供の奇行などなど、身近なのに「あれ?」と主人公たちが不審になる姿がユーモラスに書かれている。表題作や「チャールズ」も…

ジョージ・R・R・マーティン 剣嵐の大地〈2〉 ― 氷と炎の歌〈3〉

長い説明は省いて、膨大な海外時代ファンタジージョージ・R・R・マーティン『剣嵐の大地〈2〉 ― 氷と炎の歌〈3〉』。第1部文庫版を読み始めたのが今年の6月で、それから半年ほんと幸せだったなあ。末にちゃんとした記事を書きたいと思います。犬の人に感謝か…

斉藤洋 白狐魔記 戦国の雲

6年ぶりにでたシリーズ第4弾斉藤洋『白狐魔記 戦国の雲』。人に化け、妖力を身につけた狐・白狐魔丸は、日本を統一しようとしている織田信長を知る。代表作『ルドルフとイッパイアッテナ』や他の作品でも書かれてきた”会いたいけど会えない(会わない)”が今…