2008-01-26から1日間の記事一覧

レイモンド・チャンドラー 長いお別れ

いやー海外ものになれたつもりでもレイモンド・チャンドラー『長いお別れ』を読み通すのに苦労した1週間。訳が古かったのはあるけど、読み終わってみると苦手なプロットだったので……と、説明できない具合になってしまった。春樹版でも似た印象になるのかしら…

森博嗣 すべてがFになる ― THE PERFECT INSIDER

数年に1度はシリーズを通して読みたくなって、この勢いだと『四季』までいきそう。というわけで森博嗣『すべてがFになる ― THE PERFECT INSIDER』を文庫版で再読。なにが素晴らしいって瀬名秀明の解説。森と瀬名自身の違いを説明し、理系ミステリと呼ばれた…

木原浩勝,中山市朗 新耳袋 第9夜 ― 現代百物語

夏! 角川文庫! 木原浩勝,中山市朗『新耳袋 第9夜 ― 現代百物語』! となるわけです。瞬間的にゾクッとくる1編は少ないものの、全部を読み終わってからくるゾクゾク感で眼をつむるのが怖くなる。ラストを飾る警備員ものが今回のベスト。マンネリ化してきた…

ジェフリー・ディーヴァー ボーン・コレクター

グイグイ読めそうな海外ものが読みたかったのでジェフリー・ディーヴァー『ボーン・コレクター』を手にする。ニューヨークを闊歩する猟奇殺人犯ボーン・コレクターを追うのは、事故によって首から下が動かなくなった市元刑事リンカーン・ライム。毎回犯人が…

森博嗣 冷たい密室と博士たち

森博嗣『冷たい密室と博士たち』をノベルスで再読。第1作には見劣りする……と思うのではなくて、大きく引いて読んでみると、シリーズ中で誰よりも印象に残る”動機”と”犯人”だったのね。というのを太田忠司と西澤保彦(文庫版)の解説で気がづいた。構成に難あ…

山本弘 審判の日

山本弘『審判の日』は、SFマガジンに掲載された『時分割の地獄』だけは色合いが違うものの(SFマガジンらしいと感じさせる)、書き下ろし収録作の多くが『神沈』のメモみたいな感じ。ブーブー文句もあるけど『屋上にいるもの』が読めただけで大満足という1冊…

山本弘 まだ見ぬ冬の悲しみも

山本弘『まだ見ぬ冬の悲しみも』の何が素晴らしいって、グダグダ横になりながらザーと1篇を読んでしまえば、SFを堪能した気になってよい眠りに入れるってこと。SFマガジン読者賞を受賞した「メデューサの呪文」が読みやすくてよいよい。『審判の日』と似たよ…

森博嗣 四季 冬

森博嗣『四季 冬』を文庫版で再読(愛蔵版でしか読んでなかった)。犀川と四季の再会、そして彼女の到達した生死。ファン・ブックは『秋』までだと思っていて(オール・スターという意味で)、これだけは違うと思っている。言うなれば、長すぎるエピローグじ…

森博嗣 四季 夏

森博嗣『四季 夏』をノベルス版で再読。真賀田四季13歳ってだけで大絶賛な僕ですが、『すべF』〜『赤緑黒白』までのラインが繋がるという点では、このシリーズ中で間違いなく最高の楽しさでしょう。直感で”冬”→”夏”とイレギュラーな再読になりましたが、遊園…

須賀しのぶ 流血女神伝喪の女王 7

須賀しのぶ『流血女神伝喪の女王 7』は、物語の最後の最後へ向かって走りぬくだけ。そしてウルウルしっぱなしな僕。素晴らしいスピード感と、ここまで広がった風呂敷が閉じられる快感が楽しみ。っつーかさー、こんだけいい具合に大きくなったロリショタキャ…