雁須磨子 のはらのはらの

のはらのはらの (ミリオンコミックス)

のはらのはらの (ミリオンコミックス)

小説でBLが無理なら、漫画でも当然無理だろうという考えを根底から覆してしまった漫画「のはらのはらの」です。羽海野チカが帯を書いている時点で大きな反則技だとは思うのですが、内容も違わず面白い。先輩(男)に恋をしてしまった動揺から告白、そして……。そんな形式としては珍しくはないですが、演出の上手さに震え上がってしまう面白さを出しています。
漫画の大きな利点だと思うのですが、コマ(シーン)を連続して効果的に見せることが出来る。その時のちょっとした顔をかく仕草や、顔を赤らめるシーンの上手さ。シーンとシーンをコマ分割で空けながら伸ばす。でも、この面白さはそういった漫画的な特徴だけではない。
ベッドの下を掃除していたら出てきて、久しぶりに読み返したのですが、今まで読んできた少女漫画、もしくは漫画の中でインパクトの強い印象を残してくれました。多分、男同士の恋愛漫画なんだけど、その接し方が男女間の恋愛漫画と変わらないものだったんじゃないかと思います。それ以上の読ませる何かがあるのは確かだと思いますが。
いや、もう、告白のシーンが素晴らしいのなんの。