山田風太郎 信玄忍法帖

信玄死す。死から3年喪を秘せと命じられていたが、彼を天敵とする家康が噂を嗅ぎつけ、真相を探らせるために伊賀忍者9人を送り込んだ。しかし、答えに近づくためには真田忍者の双璧との死闘が待っていた。

信玄忍法帖 (河出文庫)

信玄忍法帖 (河出文庫)

初出は、1964年に講談社からの「山田風太郎忍法全集8」でしょうか。今でこそ、格闘漫画やジャンルを問わず小説の中で多様されている手法が存在していたのには驚きでしたね。もしかすれば、他所でもすでに使用されていたかもしれませんが。

物語としては、思っている以上にキレもなく、忍法も性的なのが多いですね。個人的には“戦うための”忍法を楽しみたいという気持ちがあります。しかし、そんな馬鹿忍法と思われようが、大きな秘策を動かすがための1つの手法になっているというのが凄いところ。なんだかんだと練られているのには呆気にとられます。

忍法帖長編はこれで7冊読んだのかな。絶版になって積んでいるのが6冊ほど。一時期の熱が冷めたように、久しぶりに読んだ印象があります。多分、エロに疲れたのではないだろうかと。「信玄忍法帖」でも疲れましたよ。エロエロエロ、そしてエロ。ノンストップエロ。今週のへヴィーロテーションエロ。

そう思えば、男根曝け出し忍法が存在しなかったのは「甲賀忍法帖」だけだったか……。