市川光紀 ロンギヌスの槍を追え! ― 少女探偵の魔淫事件簿

僕っ子が登場しても野郎二人の絡みとしてしか読めない市川光紀『ロンギヌスの槍を追え! ― 少女探偵の魔淫事件簿』。第一次世界大戦でドイツが敗北せず、ロシア革命が起こらなかった世界、その後の昭和74年が舞台。前作『時計城の淫猟歌』のミステリ(?)からスケールアップしての伝奇ものです。偽史ネタなどは大変面白かったのですが、エロもアクションも全体的にギクシャクしているのは残念だし、突っ込みどころがあまりにも多い。書きたいことと、書かなければならないことが上手く両立できなかった惜しい作品です。今の美少女文庫にこういった何かとポルノの融合がないのは確かに飽きるけど、二次元ドリームとの差別かもあるし……。難しいところです。

ロンギヌスの槍を追え!―少女探偵の魔淫事件簿 (NAPOLEONダブルエックスNOVELS)

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