森博嗣 τになるまで待って

φで密室、θで連続殺人、そして山荘もののGシリーズ第三弾、森博嗣τになるまで待って』。こういうトリックをリアル・フィクションっていうんですよ! そんな冗談はともかく、しかしこの調子であと7作ほど待っているのかどうなのか。これだけダラダラとした作品でも、キャラクタ小説として面白いと思ってしまうのは、上手いということなのかなあ。犀川のキャラと同じ海月が登場した時点で離れてしまえばよかったのでしょうけど、Vで失望し、四季で犀川復活を喜び、類似が出てくれば……、感じやすいツボを突かれたようなものでして。それとも飲んだくれ野郎の女みたいなものか。毎日、酔って帰ってきては殴られるけど、凄く優しいときがあるの……、だから離れられない、みたいな。

τになるまで待って (講談社ノベルス)

τになるまで待って (講談社ノベルス)