山口昇一 いもうとレッスン ― ここは乙女の園

歌舞伎の女形を学ぶために女子高に入学した僕は…… − 山口昇一『いもうとレッスン ― ここは乙女の園』。物語が妙に面白くて僕なんかは好きで、男であることを隠しながらクラスメイトの遥に恋して云々の描写や、川原を歩くシーンなんかは定番ながらグッとくる。だけど、抜くためにどうか? となると評価は落ちる。ツンデレいじめっ子ヤマザキの存在は凄く上手いのに、常に誘いかける素子先生と同じくらい扱いが荒い。これなら妹の瑞希と家でして、学園の遥とはラブコメにする……ってのも駄目かなあ。ついつい援護しちゃいたくなる一作なんだけど、物語の部分を先行させたバランスの悪さは否めない。処女消失×ヒロイン四人からハーレム・エンドなんて作品の方がよく思える不思議さがなんとも。