二泊で5880円。なら一泊は2800円。そして男の死体をどうするか − 東野圭吾『容疑者Xの献身』。高いの何ので、今年に発売されたミステリをそれほど読んでいるわけではないけど、確かにこれは話題になるだけの素晴らしい作品。実に不思議なトリックで、珍しく序盤で分かってしまっただけに、これを思いついた瞬間と、組み立てていく作業は本当に気持ちよかったのだろうと感じることができました。でもこれ、わざとトリックを明かし気味に書かれたような気がせんこともない。だからこそ容疑者Xの気持ちが浮かび上がり、何をしようとし、誰を心の中で思い続けたのか。僕は東野圭吾を上手いだけの作家だと思っていましたが、その上手さが当に冴えきった、身震いさせてくれる小説の面白さでした。
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/08/25
- メディア: 単行本
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