とみなが貴和 EDGE〈2〉 ― 三月の誘拐者

死に魅了された男と、人形を探す少女。その二人の行動は、誘拐と呼ばれた − とみなが貴和『EDGE〈2〉 ― 三月の誘拐者』。プロファイリングものを東京でやるとすれば……、といった中で一番素晴らしい解答だと思います。雨の降る中、猟奇殺人者を追う作品なら誰でも書けそうだけど、この発想はとみなが貴和にしか書けない。そう思わせてくれる作品は嬉しいですね。そんなに物語の流れは大きくない分、登場人物の心情や過去を多く入れて盛り上げているのも上手い。小説新潮10月号では桜坂洋桜庭一樹と共にインタビューに答えていましたが、桜庭よりキャリアは短いのか。そうか……。

EDGE(2)?3月の誘惑者? (講談社X文庫ホワイトハート)

EDGE(2)?3月の誘惑者? (講談社X文庫ホワイトハート)