とみなが貴和 夏休みは命がけ!

引きこもりの天才が猟銃を盗んで東京へ行った。それを追いかけた友達の瓜生は − とみなが貴和『夏休みは命がけ!』。スニーカー版ではない角川文庫版で読みました。上野・秋葉原を中心に高校生二人がマフィアとヤクザのいざこざに巻き込まれ……。とみなが作品の面白さは着眼点にあると思うんだけど、今回もその点は本当に魅力的で上手い。友人を追い、何故かヤクザに追われ、その中で双方への解決策を練りだそうとする高校生の瓜生。「友人の名前を呼べない!」といったシーンがあって、そこでキャラクタの内面性を引き出していくのかと。しかし中途半端なキャラが多くて、本当は倍近くあったボリュームを削ったのかなあ。