山田風太郎 風来忍法帖

講談社文庫から出ている忍法帖で、最後まで残していた山田風太郎風来忍法帖』。豊臣二万の軍勢に屈せず、数百人の兵で城を守るのは若き美貌の少女、麻也姫。天下統一まで幾許もない小田原攻めの中、七人の香具師は麻也姫の貞操を狙い、恐怖の風摩忍者と激突する! 本当に馬鹿な話で、何一つ力のない香具師がどうすれば麻也姫に近づけるかを行き当たりばったりに考え、しかし物語は逆転に逆転を繰り返し、最後の美しさは筆舌に尽くし難い。もう本当、久しぶりに涙が止まりませんでした(『猫の地球儀』レベルで)。読みたくないと期待しただけに、本当に幸せでした(ノベルズ版が残っていますが)。

風来忍法帖 山田風太郎忍法帖(11) (講談社文庫)

風来忍法帖 山田風太郎忍法帖(11) (講談社文庫)