岩明均 ヒストリエ

少年は、どうして知的好奇心を抑えることができなかったのか。アレキサンダー大王の書記官エウメネスの成長を岩明均が描く、大河漫画『ヒストリエ』(一巻)(二巻)(三巻)。物語は小さな図書室から始まり、誰にも邪魔されることもなく、心地良い世界と空想へ英雄オデュッセウスが導いてくれる。しかし、神童のような少年エウメネスが父の死の謎を暴くと同時に、突きつけられた出生の真実に彼は潰されてしまう。そして最後に見せる痛恨の叫び。だが、ここから世界は広がっていく……。連載誌で読んだときも震えましたが、これで毎晩震えることができるかと思うと嬉しくて。この名シーンだけは見逃さないでほしい。ここまでで既にベスト級の漫画です。(2005.11.22)
ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC) ヒストリエ(2) (アフタヌーンKC) ヒストリエ(3) (アフタヌーンKC)