機本伸司 神様のパズル

機本伸司『神様のパズル』は、卒業したい駄目大学生と天才少女が組み、研究テーマに宇宙創造は可能かを選ぶ話。物理学からビッグバン以前に迫っていくエンタテイメント性は面白いし、分かりやすく説明されている点はさすが小松左京賞受賞作。でも、もう少し恋なり愛なり友情なりの色事をちゃんと入れてくれないと通読は厳しかったかも。最終的に創造者”彼”の存在に近づいていくが……あたりまでは魅力的。山本弘より真面目で、瀬名秀明ほどの説得力に欠け、山田正紀のハッタリに及ばなかったのは、オカルトからのアプローチが、卒論という非被爆的(不条理に迫り来る恐怖! じゃない)だったからなのかな。

神様のパズル

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