大森望 現代SF1500冊 回天編 1996‐2005

京フェスで「大森さんがジュブナイルポルノのことも書いてたよ」と言われ、もっとも意外な動機を持った読者を自負している『現代SF1500冊 回天編 1996‐2005』。流れとしてはエヴァガメラ3→イーガンみたいな感じで、掲載誌が途中で変わっているので、その辺を意識して読む必要があるかも。SF氷河期からの回復〜、が僕はリアルタイムで分かってくるわけですが、過去の話も大変勉強になるけど「沈めば『日本沈没』かよ!」みたいなことは多々あって(長期連載だからしょうがないんだけど)、「ディック的? イーガン風?」といった疑問などは(SF読者は分かるんだろうけど)、知っている作品を何度も読むことで理解できるようにはなる。枕元に置いてチマチマと読み返しながら、手法や語彙を増やしていける点は本当に楽しい。そんな優等生的な言葉で締めておきたい。

現代SF1500冊 回天編 1996‐2005

現代SF1500冊 回天編 1996‐2005