須賀しのぶ ブルー・ブラッド

マーケットプレイスで値段が上がるだけの価値はあると思う須賀しのぶ『ブルー・ブラッド』。キル・ゾーン・シリーズの番外編になっていますが、単独で読める社会派物語。遺伝子改良によって生まれた強化人間「ブルー・ブラッド」が支配する未来の火星。奇跡のエリート、ヴィクトールは、辺境のコロニー出身者からやってきたユージィンに惹かれるが……。上下関係から生まれる軋轢を書かせると本当上手い。そこが面白いからグイグイ読めるし、ドンデン返しもあり。男ばかりの寮生活でも、同性愛よりの描写にならず、ちゃんとしたヒロインを出して恋物語に仕上げている点もマル。全三巻で完結しているようなので、安心して読むことができます。

ブルー・ブラッド (コバルト文庫)

ブルー・ブラッド (コバルト文庫)