宮部みゆき 我らが隣人の犯罪

デビューからの初期短編を収録した宮部みゆき『我らが隣人の犯罪』。これが初期に出たっていうのは凄いですね。評判良く聞いていた、サボテンと会話ができる小学生たちの謎が最後にストーンと綺麗に落ちる「サボテンの花」の出来も素晴らしいですが、僕ベストは「祝・殺人」。日常の中で語られるバラバラ殺人が、これまた本格ミステリとしてガッツリくるものがあります。宮部みゆきの傾向として男性主人公が多いんだけど、この短編5本も全部そう。少年から中年までを書ける腕前が最初からあったのか、と驚いています。このバランスの良さで、500円払えばお釣りがくるっていうのは絶対お徳ですね。また解説の北村薫がいいこと書いています。

我らが隣人の犯罪 (文春文庫)

我らが隣人の犯罪 (文春文庫)