半村良 黄金の血脈 地の巻

牢人・鈴波友右衛門と、信長の血をひく三四郎の旅は終わりに近づこうとしているが……。半村良が書く時代小説、第2巻『黄金の血脈 地の巻』。出会ってしまったからこそ、いつか別れることになる……。そんな件が泣けて泣けて。そして物語は終わらず、構成がどんどん膨らんでいく面白さ。策略の中で翻弄される人間たちの心理描写にこそ、上手さがある。