貫井徳郎 愚行録

幼児虐待の疑いをかけられた主婦。知人たちの目を通して語られる、一家虐殺の被害者たち。兄に語りかける妹。口にすればするほど、人の器がみえてくる貫井徳郎『愚行録』。インタビュー形式で物語は進んで、貫井徳郎がもつ抜群のリーダビリティが活かされている。トリックが不評だそうだけど(というより母親の貶し方が凄まじかった)アンフェアではないにしろ、分かりにくいのは事実。ただ、インパクト強い作品を書くのではなくて、明かされるまでの面白さはどこまでも魅力的だ。

愚行録

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