岡崎二郎 宇宙家族ノベヤマ(1)

(多分)岡崎二郎宇宙家族ノベヤマ(1)』が傑作だ(と思う)。タイトルや表紙からして岡崎二郎が得意とするホノボノSFかと思いきや、とんでもない風呂敷の大きさを感じさせるコンタクトSFだった。
「この宇宙はDNAで満ちている」。宇宙から届いた信号に記されたメッセージから、世界各国で宇宙進出が計画された。そんな中、なんでもないサラリーマンの父、料理上手な母、反抗期の娘、わんぱくな息子(と太った猫)、からなる野辺山一家が、なぜか日本代表に選ばれた!?
確かに序盤のテーマは家族の再生でもある。しかしコンタクトから始まるメッセージが、人の愚かさ、賢明さ。宇宙の広大さ、その遠さが、物語に切なさや感動を生む。あーやっぱり傑作だ(と思う)。短編の名手らしい、従来の上手さが味わえる「孤独な旅人」もあり、伏線があたえてくれるワクワク感が長編の盛り上がりをみせてくれる。
岡崎二郎を知らないかたには『アフター0』がお薦め。リンク先の5巻収録「マイ・フェア・アンドロイド」(画像は旧版だけど先は新装版)。人って何? ロボットとの違いは? このテーマは今回の岡崎二郎宇宙家族ノベヤマ(1)』にも強く描かれている。

宇宙家族ノベヤマ 1 (ビッグコミックス)

宇宙家族ノベヤマ 1 (ビッグコミックス)