クリストファー・プリースト 逆転世界

『奇術師』(感想)の10倍は面白い(自分比)クリストファー・プリースト『逆転世界』。可動する巨大都市”地球”で成人と認められたヘルワードは、ギルドの一員として外界で働くことになり、月と太陽が歪んだ荒れた大地を知るが……。古橋秀之が書けばとんでもないボーイ・ミーツ・ガール+セカイ系になっただろうに! とジタバタしたくなるようなSF的骨組みはがっしり極太。そこを活かして書く家庭崩壊など、中身は派手さに欠けるものの、独特だからこそ面白い。短編「限りなく夏」に近い味わいも嬉しいかぎり

逆転世界 (創元SF文庫)

逆転世界 (創元SF文庫)