伊藤計劃 虐殺器官

9.11以降、核爆弾によってサラエボが消失した世界を書いた伊藤計劃虐殺器官』。内戦や民族紛争が増加する中、その背後に見え隠れするジョン・ポール。語り手は米情報軍・特殊部隊所属のクラヴィス・シェパード。彼の視線から語られる母の、そして児童兵たちの死がからまって重い。だけど口調が軽く、薬物投与で淡々とした描写が続くので、だからサクサクっと読めちゃう。最後のオチはそれかーと怖いところがまたよく、傑作と呼ばれる作品なんでしょう。

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)