9.11以降、核爆弾によってサラエボが消失した世界を書いた伊藤計劃『虐殺器官』。内戦や民族紛争が増加する中、その背後に見え隠れするジョン・ポール。語り手は米情報軍・特殊部隊所属のクラヴィス・シェパード。彼の視線から語られる母の、そして児童兵たちの死がからまって重い。だけど口調が軽く、薬物投与で淡々とした描写が続くので、だからサクサクっと読めちゃう。最後のオチはそれかーと怖いところがまたよく、傑作と呼ばれる作品なんでしょう。
- 作者: 伊藤計劃
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/06
- メディア: 単行本
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