コリン・デクスター ニコラス・クインの静かな世界

ニコラス・クインが海外学力検定試験委員会の新メンバーに選ばれた結果、委員会の中には良くない感情を抱く者たちがいた。何故なら彼は極度の難聴であり、読唇術でしか会話ができなかったからだ。そして就任から3月後、クインは下宿先で毒殺死体となって発見された……。コリン・デクスター『ニコラス・クインの静かな世界』を読み終わったとき、犯人・動機・芯となるトリックなに1つ分からなくて唖然。仮定に次ぐ仮定の上乗せで、もうなにが想像で、なにが確定していたのかまったく分からなかった。いやまあ、読了と同時にゆっくり再読して消化はできたのですが……。モース警部の推理、ルイス刑事の静かな一言、そして事件の魅力。これだけでも十分楽しめたのだが、やはり瀬戸川猛資の解説を読んじゃうとね、再読するしかないと。

ニコラス・クインの静かな世界 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

ニコラス・クインの静かな世界 (ハヤカワ・ミステリ文庫)