山本弘 アイの物語

未収録短編に書き下ろしを加えて、一つの長編にしてしまうあたり、ムムムやるな編集! それとも山本弘の腕前なのか。両方でしょう。ロボットによって人類が衰退した世界の中、一人の女性型ロボットが人に語り聞かせる『アイの物語』。どれもこれも面白いのだけれども、優しい藤子・F・不二夫SF短編を読んでいるような気持ちよさがあった「詩音が来た日」、ドラえもん最終話を彷彿とさせる「ミラーガール」、物語を終わらせる表題作が幸せにしてくれる。

アイの物語

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