ボーイ・ミーツ・ガールとビルドゥングス・ロマンの魅力は圧倒的じゃないか、と教えてくれるフィリップ・リーヴ『移動都市』。60分戦争によって世界が終わってから1000年後、各都市は移動を繰り返し、弱小都市を食らう”都市淘汰主義”が成りたっていた。史学ギルド見習いのトムが大きな事件にまき込まれていくことで、なんじゃそりゃー! な世界観は、違和感なくからまってくるので実にわかりやすい。そして児童書のように読みやすく、ピンチの連続は読み手を休ませてくれない。全4巻のシリーズ1作目で星雲賞を得たといっても、完結へ向けて、これからますます面白くなってくれるのは確かでしょう。
- 作者: フィリップ・リーヴ,安野玲
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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