フィリップ・リーヴ 移動都市

ボーイ・ミーツ・ガールとビルドゥングス・ロマンの魅力は圧倒的じゃないか、と教えてくれるフィリップ・リーヴ『移動都市』。60分戦争によって世界が終わってから1000年後、各都市は移動を繰り返し、弱小都市を食らう”都市淘汰主義”が成りたっていた。史学ギルド見習いのトムが大きな事件にまき込まれていくことで、なんじゃそりゃー! な世界観は、違和感なくからまってくるので実にわかりやすい。そして児童書のように読みやすく、ピンチの連続は読み手を休ませてくれない。全4巻のシリーズ1作目で星雲賞を得たといっても、完結へ向けて、これからますます面白くなってくれるのは確かでしょう。

移動都市 (創元SF文庫)

移動都市 (創元SF文庫)