マイケル・スレイド 斬首人の復讐

最後まで温存されていたアクション・シーンは迫力がありすぎるマイケル・スレイド『斬首人の復讐』。アメリカ大陸原住民と、白人との対立が臨界点に達しようとする中、雪山で見つかった首無し死体。さらに、その首をカナダ騎馬警察に送るという挑発に、ディクラークは<ヘッド・ハンター>事件の記憶を呼び戻すが……。あの衝撃の結末に終止符が打たれ、なおかつ、ディクラークの過去も清算されようとする流れなので、シリーズとして1つの決着か。ここ1月ほどでスペシャルX・シリーズを既刊読破したわけで、キャラクター、もしくは警察大河小説として読んでいた僕は、今作のクライマックスから結末にかけてのディクラークには涙を堪えきれない。

斬首人の復讐 (文春文庫)

斬首人の復讐 (文春文庫)