ザ・シンプソンズ シーズン1 ベスト

シーズン1を見返すのは本当ひさしぶり。まだまだ設定があやふやだったり、これから続いていく細かいネタが登場したり、吹き替え声優が違ったりと、原点ならではの楽しみがあった。自分なりのベスト作品をシーズンあたり3本ずつ選んでいこうと思っていたが、実に難しかった。こんなに悩むことになるとは。
本心としてベストに挙げているのは「クラスティは強盗犯!?」のみ。どうしてもシーズン5〜9までの黄金期と比較してしまうのもよくないが、前述したように基本的な荒さがあった。そこが良さでもあるが。

第2話 バートは天才?

学力テストを目の前にして、まったく何もわからない少年バート。一瞬の隙を狙って秀才マーティンの答案用紙と交換してしまうが、そのために天才たちが集まる自由な学校に行くことになってしまい……。
最近では小ネタで終わってしまうテストも、序盤ではエピソード1本分になってしまう。同じくテストがメインとなる16話「落第バート」ほどの面白さではないが、彼の周辺環境がわかる入門向けのエピソードとして良作だろう。もう一度もとの学校へ帰ろうとして真実を語るも、天才の言うことだからと信じてくれない大人たち。その中で困惑し続けるバートの姿は、何度見ても可笑しい。

第12話 クラスティは強盗犯!?

テレビの人気番組を支えるピエロのクラスティが強盗犯!? しかも目撃者は親父ホーマー!? バートは愛するクラスティを信じるが、裁判は彼の有罪を決め、おもちゃは焼かれていく。自分の頭では力になれないことがわかったバートは、天才少女であり妹のリサから力を借りることにするが……。
シーズン1中ベストと評したいジュブナイル本格ミステリ。冗談ばかりと思いきや、こんなにもシリアスは話があるのかと心底驚かされた。心から憧れる人が犯罪者になって、クラスティ一色の部屋が空っぽになっていく様子など、映像と音楽の輝かしい演出が連続する1作。少年探偵の成長、挫折、そして解決までの長い道のりを30分にまとめ、最後のシーンまで実にドラマチックに仕上がっている。ミステリ・ファンだけでなく見てもらいたい。

第13話 バートのフランス日記

毎日繰り返していたいたずらが、学校長の母にまで危険が及んでしまったため、バートはフランスに3ヶ月留学をさせられることに。家族や本人の期待と裏腹に、そこは人を人と扱わない極貧ワイン農場だった……!
よくここまで30分に収めたと思う。親元を離れた子どもたちたちは地獄、家族は極楽という極端な笑わせかたは、これから何度か見ることになる。その中でも、交換留学生が優秀すぎるために家族がギクシャクしていく姿は珍しい。帰りを家族が待っているというのも押さえておきたいポイントだ。