須賀しのぶ アンゲルゼ ― 孵らぬ者たちの箱庭

時代は現代だが、中学校では厳しくも軍事訓練が行われる世界観。何と戦っているのかわからないままに序盤まで進む、須賀しのぶ『アンゲルゼ ― 孵らぬ者たちの箱庭』がとにかく面白い! あくまでも中学2年女子たちの表裏ある友情や、義理の家族、自覚しない恋をリリカルに書いた傑作だ。しかしあくまでもファンタジーでありながら、暗く残酷な須賀節が冴えわたる。最高のシリーズものが終わった後に、この高揚感。全力で伝えたい。

アンゲルゼ―孵らぬ者たちの箱庭 (コバルト文庫)

アンゲルゼ―孵らぬ者たちの箱庭 (コバルト文庫)