中田永一 百瀬、こっちを向いて。

女子高生たちがあーでもない、こーでもない、と恋に悩む様子に俺デレデレ。百瀬のハルヒっぷり全開な可愛さは異常。とまあ、高校生たちの痛々しくも静かな恋を描いた、書き下ろし一編を加えた名作短編集。表題作と「なみうちぎわ」は日常ミステリの要素と合わさって、素晴らしい出来だ。とくに表題作「百瀬、こっちを向いて。」は、小道具のさり気ない演出とタイミングが、結末で魅力を増す。なんとも不器用であり、どれも容姿などにハンデを持った主人公たちの恋。直視できないようなくすぐったい感触もあり、でも昔に読んだ、見た恋愛を思い出させてくれる作品でもある。

百瀬、こっちを向いて。

百瀬、こっちを向いて。