浦賀和宏 生まれ来る子供たちのために

謎の殺し屋に襲われ、妹の美穂が昏睡状態になってしまった事件にも終止符を打ったが……。まさかこんな不幸が待っていたとは考えもしなかった。世界で誰もが恐れおののく顔を持ち、不死身の肉体を持ったとしても、彼女を救うことは出来なかった八木剛士。彼を唯一支えてきた純菜、雨を降らす南部、そして醜い彼を取り巻いた全ての関係に終止符が打たれる。『松浦純菜の静かな世界』から始まるシリーズ、9作目にして完結。
あまりにも根暗、卑屈、そして妹を溺愛し、Ζガンダムを愛し、世界で一番の醜い顔を持つ八木剛士の物語が終わった。松浦純菜との信頼が高まるにつれ、脱Ζガンダムを果たした少年の物語であり、脱俺の嫁ファ物語になる……じゃねえ! うわビックリ。それどころじゃねえ物語だったのか。青春的恋愛から、脱オタを見事に果たすことが中盤までだと思っていたが……。
中盤以降、どうなることかと思いもしたが、最終章で綺麗に流されちゃった感は強いな。これ書かれるとなあ……。さてさて。

生まれ来る子供たちのために (講談社ノベルス)

生まれ来る子供たちのために (講談社ノベルス)