フランク・シェッツィング 深海のYrr

ノルウェー海で発見されたゴカイのような奇妙な新種は、何故かメタンハイドレート層を食い進んでいた。カナダではホエールウォッチングの観客たちがクジラに襲われるような事件が続発。また、世界各地で猛毒クラゲが異常なまでに出没し……。異常を感じた科学者や、利権をかけた海洋技術者たちは、宇宙より広大な海を探っていくが……。
本書ではエビ爆弾で人が死ぬわ、カニが襲ってくるわ。いやもう、海外出張中に豪華な食事がエビ・カニで、出るわ出るわ、食べさされるわ……。ともかく、最先端の海洋科学者、技術者が母なる海に翻弄される海難サスペンスだ。環境変動だけでは考えられない、異常な姿を現す序盤や、様々な専門家たちが集結し、大きな仮説をたてていく中盤の面白さは一気読み確実。とんでもない真相には抵抗もあったが、アクション性豊かに書かれると、スルスルいけるわな。

深海のYrr 〈上〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

深海のYrr 〈上〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-1)

深海のYrr 〈中〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)

深海のYrr 〈中〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-2)

深海のYrr 〈下〉  (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)

深海のYrr 〈下〉 (ハヤカワ文庫 NV シ 25-3)