ジャック・カーリイ 百番目の男

公園で発見された男の遺体には、下腹部に不可解な文章が刻まれ、頭部が切断されていた。捜査を担当するのは異常犯罪課PSIT所属のコンビ。ベテランのハリーと、人間を”放火”する連続殺人事件を解決した若手刑事カーソン。しかしカーソンは、明かせない捜査方法と恐ろしい過去を隠していた……。
異常な動機をバカミスと評された本書だが、大筋は王道的サイコ・サスペンスに仕上げられたデビュー作だ。奇妙な事件と上層部の衝突、意外な犯人、映画化の話が挙がるのもよく分かるほどのキャラ付けなどは、読者の好み次第か。どうしても”動機”に視点が置かれ、確かにこれといった強いパンチのある作品ではないが、僕個人は全て気に入っているし、警察とサイコものの入門書としても話題性では挙げてもいいと思っている。

百番目の男 (文春文庫)

百番目の男 (文春文庫)