ジャン・バーク 骨

新聞記者アイリーン・ケリーの元に、行方不明の母親を捜してくれないかと一人の少女が訪ねてきた。浮気などの容疑が挙がるも、意外なほど簡単に連続婦女誘拐犯ニコラス・パーリッシュが捕まってしまう。犯人パーリッシュをひき連れた遺体発掘のため、捜査隊とともに山中にはいるケリー一行。そこには犯人の仕掛けが待っていた。霧濃い山中で犯人に追われるケリーの相棒は捜査犬ビングルだけ……。
2000年度アメリカ探偵作家クラブMWA賞を受賞。賢い捜査犬ビングルが可愛く、飼い主を思う懸命な姿に読まされる。しかし犬が好きなら買いという小説でもない。前半は山中パニック、後半は街中を舞台にしたサイコ・サスペンスと、最後まで全速力で走るヒロインに一気読み。しかもシチュエーションの変化から一読みで二度美味しい。そのためか筋は通っているのだけれど、なんとも大味に見えるトリックで、これによって作品の印象が変わってくるだろう。個人的には、意外な死体(?)の登場が一押ししたいポイントだ。

骨 上  講談社文庫 は 69-1

骨 上 講談社文庫 は 69-1

骨 下  講談社文庫 は 69-2

骨 下 講談社文庫 は 69-2