頭を切断された女性の死体からは、脳が消えていた……。双子の兄弟、零と一の前に現れた、死なない少女・祥子。彼女の事件に巻き込まれていくうちに、全てを見通す家政婦が警告する。全ての背景に存在する、巨大企業”萩原重化学工業”の正体と目的とは……?
安藤シリーズ・シーズン2を開幕するの本書は、浦賀和宏の集大成とも呼べる作品になっていた。しかし松浦純菜シリーズから入った読者も十分に楽しめる内容になっている。脳、萩原、そしてその先にあるシリーズの延長線上とも、中心へとも向かう物語だったともいえる。今までのファンにしてみれば、久しぶりのシリーズ新刊は激熱でもあり、デビューからの3部作『記憶の果て』(感想)、『時の鳥籠』(感想)、『頭蓋骨の中の楽園』(感想)を彷彿とさせる出来だ。
松浦純菜シリーズも好きだが、こうしてシリーズ復活となったのはやはり嬉しい。
- 作者: 浦賀和宏
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/05
- メディア: 新書
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