アイザック・アシモフ 夜明けのロボット

宇宙の指導者である惑星オーロラから、宇宙国家連合から孤立していく地球に、刑事ベイリへ助けを求めてきた。相方のロボット・ダニールと同じヒューマン型ロボットの破壊事件を解決してほしいという。容疑者はロボットを生んだ天才ファストルフ博士のみ。彼以外は不可能という事件とは。ファストルフ博士のもとへと旅立つベイリだったが……。
『鋼鉄都市』(感想)『はだかの太陽』(感想)に続く、SFミステリ3部作完結編。刑事ベイリとロボット・ダニールのバディ成長ものとして、震えてしまうほどの完成度だった。今までこの作品を、ミステリという定規の上から論されたものは見てきた。しかし読み終わってしまえば、このスケール大きなSF力に、あまりの眩しさに目を細めてしまうほど。もちろんミステリとしても、静かな演出で書かれるラストがマル。『黒後家蜘蛛の会』に見られるようなロマンチックな演出は、やはりアシモフならでは。

夜明けのロボット〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

夜明けのロボット〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)

ロボットと帝国〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

ロボットと帝国〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)