北川歩実 金のゆりかご

天才を作り出す幼児早期育成システム「金のゆりかご」。かつてGCS幼児教育センターで育ち、神童とも呼ばれた野上雄貴。高校時代に落ちぶれてからGCSとは縁を切ったつもりだったが、不可解な入社要請がかかる。目の前に現れる、過去の不祥事事件を追うマスコミ記者。天才少年の母親が謎の失踪をとげ、そして関係者が殺される。野上の入社とともに起こる奇妙な事件の行く先は……。
話しが二転三転するうちに、気がつけば大どんでん返し。しかし今年は海外ミステリを中心に読んできたために、そのダイナミックさにも、濃厚さにも満足はいかなかった(こう書くと海外小説優秀派だが、実質は、僕の好みに合わなかったと説明が上手にできていないだけ)。大森望の解説で、自分の思ったことなど、どうでもよくなってしまった。上手く丸め込まれた……、と書けば責任転換になってしまうか。

金のゆりかご (集英社文庫)

金のゆりかご (集英社文庫)