堤未果 ルポ 貧困大国アメリカ II

ブッシュからオバマへ。支援したアメリカ市民たちは、これでアメリカは変わると信じていた……。貧困層を巻き込む戦争ゲームは止まらず、大学生のカード破産は増加するばかり。期待された国民保険の実際。新たに見えてきた、貧困層を駒にしたマネー・ゲームの姿を書く報道作。
あの熱狂的な応援をボンヤリと見ていた僕だったけれども……、アメリカのテレビ依存度を改めて考えさせられる。その結果に待っている民衆の不満感、だけど捨てられない期待感。そこまで瀬戸際なのかと読み手は知らされるわけだが、それをルポしていく著者のモチベーションに、尊敬の念を払い終えない。

ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)