森博嗣 有限と微小のパン

ゼミ旅行より一足先にテーマパークに訪れた西之園萌絵たち。ソフトメーカーが運営する地で起こった「シードラゴン事件」をきっかけに、彼女たちは異様な事件に巻き込まれていく。様々な思惑が交錯する中、萌絵たちは巨大な知性へと近づいていく……。
何度読み返し、その度に新しいものに気づかされたか……。『四季』4部作を読了してからは初めてで、とくに『冬』で書かれていたことの原点は、ここにあったのかと気づかされる。また飛浩隆『ラギッド・ガール』を色濃く覚えていただけに、『すべてがFになる』以降に書かれている希望と、それが実現した未来での目的が交差して、まるで1つの世界観かとも幻視してしまった。いや、素晴らしい経験だった。

有限と微小のパン (講談社文庫)

有限と微小のパン (講談社文庫)