ジェフリー・ディーヴァー 眠れぬイヴのために

嵐が迫る夜、精神病院を出発した死体運搬車から1人の男が起き上がった。彼の名は脱走者マイケル・ルーベック。その足取りはインディアン・リープ事件の被害者、不利な証言をしたリズへと向かっているのか。精神病院、警察、そして賞金狙い達の追跡が始まる……。
序盤から不思議な違和感を覚える設定がいくつかあり、リンカーン・ライムで挙げられる代表作に比べると、最終的に美しく活かされてはいない。ディーヴァーの出世作と呼ばれる作品でもあり、読ませる作風は今と変わらない安心作。インパクトの強さは魅力的で、ここから今へと磨きあげていったのかと思うと、実に興味深い作品であることは確かだ。

眠れぬイヴのために〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

眠れぬイヴのために〈上〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

眠れぬイヴのために〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

眠れぬイヴのために〈下〉 (ハヤカワ・ミステリ文庫)